人間の腸は、大きく分けて大腸と小腸に分けられます。小腸は食べ物を消化吸収する働き、大腸は消化吸収された後の不要物を便として排泄する働きをします。そして大腸には、約300種類、約100兆個もの細菌が住みついていて、これらを総称して腸内細菌と呼びます。
■善玉菌と悪玉菌
腸内細菌には、大腸菌、ウエルシュ菌など悪玉菌と呼ばれる菌と、乳酸菌の一種、ビフィズス菌など善玉菌と呼ばれる菌とがあります。
悪玉菌は、腸内をアルカリ性に傾け、腸内を腐敗させたり、発がん物質や毒素など有害な物質を作り出したり、身体の抵抗力を弱めたり、下痢や便秘、肝臓障害、生活習慣病などを招いたり、肌が荒れたり、老化を促進したりします。
一方、善玉菌には、消化・吸収機能を高める、腸のぜん動運動を活性化させて排便を促す、食中毒などに感染するのを防ぐ、免疫力を活性化させてさまざまな病気になるのを防ぐ、などの働きがあります。また、コレステロールや中性脂肪の代謝を促進したり、ビタミンやホルモンを生産したりする働きなどもあり、体の健康を維持するのに重要な役割を果たしているのです。
善玉菌は腸内を酸性にして悪玉菌の発育を抑える働きがあるので、腸内細菌のバランスが善玉菌が優位であると、健康状態を良好に保っていられます。
■腸内細菌のバランスが崩れる原因とは
ところが、加齢や疲労、睡眠不足、栄養バランスの悪い食生活、ストレスなどの要因があると、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌がどんどん増加してしまいますので、そうならないように注意が必要です。