「医療現場の主役は患者」といわれても、医師とのコミュニケーションに慣れていないし、病気のときは誰でも混乱していて、おちついて説明をうけたり、自分で判断をしたりするのは難しいことです。そこで、インフォームド・コンセントをうまく運ぶためのポイントをお話します。
■インフォームド・コンセントを上手に受けるためのポイント
1 不安なときは、家族に同席してもらう
2 わかりやすい言葉で、わかるまで説明してもらう
3 カンタンすぎる説明よりも、きちんと内容を教えてもらう
4 聞きたいことをあらかじめメモしておく
5 メモをとりながら聞く
6 複数の治療法を示してもらう
7 必要ならセカンド・オピニオンを求める
8 可能なら自分でも病気についての情報を集める
9 治療について決めるのは自分だという気持ちを持つ
■上の1〜9項目の詳細
1. 不安なときは、家族に同席してもらう
「自分で決める」といっても不安なのが普通です。必要だと思ったら、家族や信頼できる友人にいっしょに説明を聞いてもらい、相談にのってもらうと良いでしょう。
2. わかりやすい言葉で、わかるまで説明してもらう
わからないことは何でも聞きましょう。専門用語がでてきたら、その場その場で質問を。納得のいくまで説明してもらうことが大切です。
3. カンタンすぎる説明よりも、きちんと内容を教えてもらう
「難しい手術ではありません」「この病気は薬さえ飲めば治りますよ」といった説明だけで終わらせないこと。どんな治療法なのか、詳しく説明してもらいましょう。
4. 聞きたいことをあらかじめメモしておく
必ず聞いておかなければならないことがいくつかあります。説明を聞くだけになりがちですから、質問リストを作っておき、聞きもれのないようにしましょう。
・ハッキリとした病名(診断がついていない場合は疑いのある病気の名前)
・診断の根拠
・現在の病状と今後の病気の進行
(病気がいまどのような状態なのか、今後どのように進行すると予想されるか)
・治療法の効果とリスク
・医師が勧める治療法がある場合、その治療法がよいとする根拠、一般的に行われている治療法かどうか
5. メモをとりながら聞く
学校の勉強とおなじ。メモをとったほうが頭に入るし、あとで治療法を決めるときに参考になります。
6. 複数の治療法を示してもらう
場合によってはひとつしか方法がないこともありますが、できる限り多くの治療法をあげてもらいましょう。
7. 必要ならセカンド・オピニオンを求める
他の医師の意見を聞くことをセカンド・オピニオンといいます。医師によって大きく考えかたが違う可能性もありますから、複数の治療法があって、どれがいいか迷うという場合などは、ほかの医師の意見を聞くといいでしょう。
8. 可能なら自分でも病気についての情報を集める
体調や状況がゆるせば、インターネットや本を利用して、自分の病気について調べてみましょう。情報は豊富にもっていたほうがベターです。自分で勉強することが、よりよい選択につながるはずです。
9. 治療について決めるのは自分だという気持ちを持つ
自分で決めるということは、自分で責任をもたなければならないということ。「お医者さんに治してもらおう」ではなく、「自分で治すのだ」という気持ちが必要です。医師や看護師、そして家族はいつでも手助けをしてくれますが、自分の健康は自分で守るつもりで、治療に望むことが大切です。