専門外来とは、特定の臓器や病気、症状について、専門的な診断・治療をする外来です。診断・治療が難しいカラダの症状や、専門的な治療が必要な病気、長くつきあっていかなければならない病気などについて、専門の医師が診察にあたります。
大規模、中規模の病院にあることが多く、たいていの場合、たとえば月曜日の午前中は“糖尿病外来”というふうに決まっていて、その時間帯には、糖尿病専門の医師が、糖尿病の患者だけを診察するというシステムになっています。では、専門外来のメリット、デメリットとはどんなものでしょうか。
<メリット>
かならず専門の医師にみてもらえるのが専門外来の特徴
法律の上では、医師はどの診療科を担当しても問題はありません。けれども、実際には、たいていの医師が内科なら内科、その中でも内分泌・代謝系の疾患、特に糖尿病が得意というふうに、専門の領域をもっています。
もちろん、身近なクリニックなどの医師はふつう、内科なら内科の病気をひととおりみることができます。ですから、糖尿病のおばあちゃんがかかっている先生のところで、気管支炎をみてもらったりできるわけですが、もしその医師の専門が糖尿病だったら、気管支炎に関しては、呼吸器専門の医師のほうが知識、経験は豊富ということになります。
患者の立場からは、医師の細かい専門領域までなかなかわからないことが多いですから、専門外来は患者にとって、かならず専門の医師にみてもらえるよいチャンスなのです。
<デメリット>
専門外来へ行くかどうかは、症状、通院のしやすさなどを考慮して
専門外来へ行けば、より専門的な診断・治療がうけられますが、だからといって、身近なクリニックよりも専門外来がいいとは限りません。専門外来には、家の近くにない、診療の時間帯が限られているといったデメリットもありますし、医療の質には、医師との相性という問題も関わってきます。
いま症状が安定していて、とても信頼して通っているクリニックがあるなら、ムリをして遠くの大学病院の専門外来へ行く必要はないかもしれません。かかりつけの医師とも相談しながら、いろいろな条件を考えて、病院を選ぶことがたいせつです。
<専門外来の種類>
病院が自由に設置できるので、臓器や病気、症状にあわせて、さまざまな種類があります
内科、外科などの診療科名は法律で種類が決まっていて、病院や医師が勝手に科名をつけることはできませんが、専門外来についてはとくに規定がありません。ですから、どんな専門外来を設置するかは病院の自由です。このため、とてもたくさんの種類があります。
大きく分けると、
1.「心臓外来」「肩外来」など、特定の臓器やカラダの部位をみるところ。
2.「糖尿病外来」「高血圧外来」など、特定の病気をみるところ。
3.「めまい外来」「便秘外来」など、特定の症状をみるところ。
この3つのタイプがあります。最近は、患者が自分の症状にあわせて利用できるように、3のタイプが増えています。さらに細かい専門外来の例はこちらをご覧ください。
予約制のことが多いので、電話で問い合わせてみましょう
専門外来は曜日、時間帯が決まっていて、たいていは予約制なので、まずは病院に電話で問い合わせてみましょう。また病院によっては、専門外来は設置していなくても、医師の専門にあわせて担当医を決め、予約制でかならず担当医が診察するというシステムをとっているところもあります。
病院をいくつかピックアップして、専門外来という言葉にこだわらず、「○○について、専門の先生にみてもらいたいのですが・・・」というふうに、問い合わせてみるとよいでしょう。
専門外来の例
<内科>
心臓外来
血液外来
肝臓外来
腎臓外来
糖尿病外来
高血圧外来
ぜんそく外来
胸痛・動悸外来
便秘外来
ペースメーカー外来
禁煙外来
肥満外来
<外科>
食堂・胃外来
大腸外来
肛門外来
乳腺外来
腫瘍外来
<泌尿器科>
前立腺外来
膀胱外来
尿失禁外来
ED(勃起障害)外来
男性不妊外来
<精神科・神経科>
肩外来
アルコール外来
ストレス外来
物忘れ外来
児童・思春期外来
<神経内科>
頭痛外来
物忘れ外来
<脳神経外科>
頭痛外来
脳卒中外来
てんかん外来
腫瘍外来
<整形外科>
肩外来
膝外来
脊椎・脊髄外来
リウマチ外来
スポーツ外来
腰痛外来
<麻酔科>
ペインクリニック外来
<耳鼻咽喉科>
めまい外来
難聴外来
補聴器外来
<皮膚科>
アトピー外来
乾癬外来
ニキビ外来
膠原病外来
レーザー外来
<眼科>
角膜外来
緑内障外来
網膜症外来
斜視外来
弱視外来
コンタクトレンズ外来
<その他>
女性外来
小児外来