生活習慣病は中高年になってから急になるのではなく、子供の頃からの生活習慣の積み重ねによって発症するものです。高校生の健康調査が発表されました。
高校生の4割超が、高血圧や高中性脂肪、高血糖など何らかの基準値を超え、生活習慣病予備軍になっていることが厚生労働省研究班(班長、吉永正夫・国立病院機構鹿児島医療センター小児科部長)の調査でわかりました。テレビの視聴時間が長かったり、朝食を抜いたりする生徒は、値がより悪い結果です。
千葉、富山、鹿児島の3県の高校生男女1500人を対象に06〜08年度、身長や体重、血圧、血液、生活習慣などを調査。うち、1257人から中性脂肪や空腹時血糖、空腹時インスリン、尿酸、善玉コレステロールなどのデータを得ました。これほどの大規模調査は初めてのことです。
これまで、思春期の生活習慣病の基準値はなく、研究班で成人の値を参考に基準を作成。各項目で値の悪い方から1割を高血圧症、高中性脂肪などの「生活習慣病」と定義。30代以降に重い生活習慣病になるのを防ぐため、成人の値より厳しめになりました。
その結果、内臓肥満、高血圧、高中性脂肪、低善玉コレステロール血症、空腹時高血糖の五つで、男子の44%が一つ以上で基準値を超え、三つ以上超えた人も5%いました。女子では一つ以上が42%、三つ以上も3%いました。
また、テレビの視聴時間が長いほど血圧や血糖の値が悪かったそうです。男子では朝食を食べない生徒ほど内臓肥満になりやすく、母親の体格指数(BMI)が高い生徒の内臓肥満度も高かったそうです。
調査班は、(1)運動系部活への参加か、休日に60分以上の運動(2)テレビの視聴時間は平日50分以内、休日100分以内(3)朝食を毎日とる(4)腹囲が80センチを超えたら、医師に相談、などの提言をまとめました。