ストレスはあらゆる病気の原因といわれ、万人に関係する問題です。今回は、あまり知られていない、ストレスががんに及ぼす影響についてお話します。
適度なストレスは、最高のパフォーマンスを生み出すもとになる場合もありますが、過度のストレスが良くないことは、私達も何となく知っています。では、がんとの関連はどうでしょうか?
■ストレスがかかると何がおこるのか
ストレスは目で見えるモノではありません。しかし、私たちも時には「今、すごいストレスを感じている!」と実感することがあるのではないでしょうか。では、人間の体は、ストレスを受けるとどうなるのでしょうか?たとえば、学生時代に授業中に先生に難しい問題を当てられそうになった時、また、翌日に大勢の前で何かを無事にやり遂げなければならない時などを思い出してみましょう。
・胸がドキドキする
・眠れなくなる
・手足の先が冷たくなる
・口が渇く
これらの症状は、一見、何の関係も内容に見えますが、実は共通点があるのです。
■ストレスは交感神経を興奮させる
ところで、自律神経という言葉はほとんどの方がご存知ではないでしょうか。ストレスは、この自律神経と密接な関わりがあります。
自律神経とは、読んで字のごとく、自らを律する神経で、ストレスを受けたときに優位になる交感神経と、リラックスするときに優位になる副交感神経の二つからなります。
ストレスがかかると交感神経が興奮しますが、その結果、先に述べたような、色々な変化が体におこるとともに、体内に活性酸素が放出されます。
活性酸素が増えすぎると、遺伝子を傷つけがんのもとになる細胞のミスコピーを増やすことになるのです。
■がんの予防と過度のストレス
このように、「ストレス→交感神経の興奮→活性酸素の増加→細胞のミスコピーの増加→がん」、という流れがあることを考えると、過度のストレスを避けることは、がんの予防にも重要な役割を果たすと言えるでしょう。
「お腹がすいた」→「おいしかった」、「眠たい」→「よく寝た」というサイクルがスムースに回っていくことが健康的な毎日を送るための基本になると考えられており、ストレス回避という観点からも大切なポイントなのです。
もし、今、ストレスを感じている場合には、様々なストレス回避の手法もありますが、まずは、今日、ゆっくり浴槽に浸かり、いつもより早く就寝してみては、いかがでしょうか。煮詰まった毎日を変えてくれるきっかけになるかも知れません。