がんはその性質上、発生してから時間経過とともに全身に広がっていく可能性が高くなるので、早期発見、早期治療が欠かせません。早期発見を可能にするための心構えについてお話します。
■がんは早期発見・早期治療がポイント
がんは周辺の組織に浸潤するだけでなく血液やリンパ液の流れにのる可能性があるので、時間経過とともに、全身へ広がっていく可能性が高くなります。そういった観点から考えると、標準治療によりがんの完治をめざすためには、早期発見し、早期に治療を開始することが重要です。
今回は、がんの早期発見・早期治療につながる「３つのポイント」についてお伝えします。
①年に1回の定期健診を受ける
健康診断は、定期的に受けることがポイントです。「５年前には、何ともなかったので、それ以後受けていません。」というのでは、やはり困ります。早期発見・早期治療のためには、やはり、年に1回の受診をおすすめします。自分のの誕生月にあわせて、受診するように計画するのもよいでしょう。
また、医療における検査結果全般に言えることですが、とくに健康診断の結果を判読する医師にとって、昨年や一昨年の検査結果と比較し、その推移を見ることは非常に有益な情報になります。健康診断を受ける際には、同じ医療機関で継続して受けることをおすすめします。
②検査結果は詳細にチェックする
健康診断の結果は、郵送や会社からの手渡しなどで、通常は2－4週間程度で手元に届くと思います。
健康診断を受ける前は、少しお酒の量を減らしたり、また、当日の時間を空けるために仕事や家事の段取りを整えたりといったことで、注意が向くのですが、終了後時間が経ってしまうと、どうしても優先順位が下がってしまいがちです。
特に、何か心配事がある人の中には、「見るのがちょっとこわい」「どうせ、血圧が高いだけだ」というので、ほとんどチェックせずに放置しているケースも少なくないようです。
健康診断には大切な時間もお金もかかっているということも心にとめて、検査結果が手元に届いたら、詳細にチェックすることが大切です。最近は、一般の人にも読みやすいように検査結果用紙の説明には、様々な工夫があります。また、わかりづらい語句や用語はインターネットで簡単に調べられますので、必ず「解読」に取り組みましょう。
③何らかのアクションを起こす
３つめのポイントは、健康診断の結果を良く読んだあとは、何らかのアクションを起こすということです。
もし、検査結果に何らかの異常があって、「医師の診察を受けて下さい」「3ヶ月後に再検査をして下さい」といった指示がある場合には、必ずそれに従い医師の診察や検査を受けていただきたいと思います。その際には、手元の検査結果を持参することをお忘れなく。「別に今は、症状がないから」と言う人も、「症状が出る前に異常を見つけるのが健康診断の意義である」ということを思い出して、必ずアクションを起こすことが必要です。
また、今回の検査結果で異常がなかった場合には、がんの予防につながる取り組みを一つでもスタートするきっかけに健康診断を活用するべきだと思います。たとえば、喫煙や飲酒の習慣が有る人は、禁煙や休肝日の設定にトライしてみるとか、肥満の傾向が有る人は、食習慣や運動習慣を見直してみるといったように、何らかの変化を起こすことが大切です。
毎日が忙しい中で、自分の体調や健康管理に注意を向けるのはどうしても難しいものです。是非、健康診断をそのきっかけとしてとらえ、何らかの行動の変化につなげたいものです。
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