最近では思いがけない物質からもアレルギー症状がおこることがわかってきています。そのひとつがフルーツなんです。
■アボカドやキウイにも要注意!
バナナ、アボカド、キウイなどがアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)となり、ラテックス・フルーツアレルギー症候群とよばれるアレルギーをひきおこすことがあります。
ラテックスとはゴムの原料ですが、果物アレルギーをもつ患者の多くは、ラテックスにも過敏反応を示すことが知られています。これは、バナナやアボカドといった果物が生ゴムのラテックスと似た分子構造を持っているため、共通のアレルゲンとなるのです。
症状は、口唇の腫れや口腔内の違和感、じんま疹やアレルギー性鼻炎、結膜炎などで、重症の場合はショックに陥ることも。果物アレルギーは、まだ広く一般には知られていないので、日頃からよくフルーツを食べるという人は気をつけたいもの。自分で食べるときはもちろんですが、果物を食べたがらない人や子どもなどに無理強いするのは注意が必要です。
■“見えない金属”によるアレルギーも
メガネや腕時計、ネックレスやピアスなどの金属に接触したとき、湿疹や腫れなどの症状がおこる金属アレルギー。ところが金属の中には、目に見えないものもあるのです。
たとえばバッグなど革製品のなめし剤として使われているのは、クロムという金属。クロムは肉眼では見えないので、金属アレルギーの人が革製品に触れるときは注意が必要です。また、食品のチョコレートの中にはニッケルが多く含まれていますし、シャンプーや化粧品の中にも金属を含むものがあります。
そして、とくに気をつけたいのは、歯科の治療に使われる金属。アトピー性疾患など、なんらかのアレルギー症状をもつ人は、歯科での治療の前に金属アレルギーがないかどうか検査してみましょう。治療に使われる金属は合金が多いので、見た目で単純に金、銀などと決めつけるのは禁物です。
■ストレスや疲労も引きがねに
アレルギーは、私たちの体に異物が侵入してきたとき、それを排除しようという「免疫」の反応が過剰になり、体調を崩した状態です。
その症状の現われ方は、よく水とコップにたとえられます。コップである体に水(アレルゲン)が注がれ、コップからあふれ出たときに症状が出てくるというものです。しかし、水がコップいっぱいにならなくても症状が出るケースもあるのです。
人間の体は免疫、自律神経、ホルモン、精神が支え合ってバランスを保っています。ところが、感染や疲労、ストレスなどアレルギーの悪化原因によって、そのどれか一つでも崩れると、コップそのものがゆがんでしまうのです。コップがゆがむと、中の水はたとえ半分しかなくても、外にこぼれ出してしまうというわけです。
アレルギーを防ぐには、原因となる物質に気をつけるだけではなく、疲れやストレスをためない、心身ともにバランスのいい生活をおくることが重要だといえます。
(「へるすあっぷ21」、法研より)
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