現代人は慢性的な肉体疲労に悩まされているといいます。休息だけでは解消されない肉体疲労の回復のカギとは何なのでしょう。
■血行促進で疲労物質とサヨナラ
運動や肉体労働で体を動かした後だけでなく、1日中オフィスワークをしていた日にも、筋肉の疲労を感じることはよくあります。筋肉疲労はどんなメカニズムで起こるのでしょうか。
筋肉は内臓と同じく、体内のエネルギーを使って働きます。その結果、排泄されるのが代謝産物、すなわち乳酸などの疲労物質です。運動をしたときだけでなく、パソコン作業などで同じ姿勢を続けたときでも、筋肉は働いているので疲労物質はたまっていきます。
たまった疲労物質は、筋肉を休ませれば血流に乗って除去されていきます。しかし、同じ姿勢を続けてこりが生じているような人は、血行不良になっているため、この除去がうまくいかない。“ゴミを出したのに、回収車が来ない状態”に陥っているのです。
現代人の肉体疲労の多くはこうした“ゴミの未回収”によるものです。ゴミを回収させるためには、軽い運動で筋肉を動かすのが最も効果的です。血流が改善されてゴミ(疲労物質)の回収がスムーズに行われるようになります。
■軽い運動は疲労物質の再利用も可能にする
こりを感じたら、その周辺の筋肉をゆっくり、そして十分に動かすることです。たとえば、肩が張ったら、腕を回してみて、筋肉が温かくなったと感じたところでやめます。同じ姿勢を続けて脚が疲れたら、軽くウォーキングをするだけでも有効です。
軽い運動の効果は、別の角度からも解明されています。筋肉を構成している線維には白筋と赤筋がありますが、この赤筋には筋肉の代謝産物(疲労物質)をエネルギー源として再利用する働きがあります。赤筋は軽い運動でよく使う筋肉であるため、軽い運動をすれば、ゴミの再利用で効率よく疲労物質を除去できるというわけです。
■よい姿勢が身につけば疲れにくくなる
肉体疲労の訴えで、最も多いのは首や肩、腰まわりのだるさなどです。こうした症状の根本の原因は姿勢にあるのです。
体は重力の垂線に対して傾いているので、姿勢が悪いと、全身のバランスをとるために、さまざまな筋肉が絶えず緊張状態になります。つまり悪い姿勢は疲れやすいのです。
そこで重要になるのが姿勢の改善ですが、疲れにくい、正しい姿勢のポイントはどこにあるのでしょうか。骨盤の姿勢が悪くなると、それを補正するために胸椎から頸椎にかけての姿勢まで悪くなってしまいます。つまり、正しい姿勢のポイントは骨盤にあるのです。
姿勢の改善法としては、骨盤を支える深部の筋肉を日ごろからよく使うこと。正しい姿勢をとること自体が、その筋肉を働かせる習慣をつけることになります。「歩く」「昇る」という動作も有効です。
姿勢が悪い人は、正しい姿勢を維持すると疲れると錯覚しがちですが、それが身につけば、疲れにくくなります。
(「へるすあっぷ21」、法研より)
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