見ているだけで口の中が酸っぱくなってきて唾液が出てくる梅干。梅干は昔から身体に良いといわれていますが、その健康パワーの正体は一体何なのでしょうか。
■梅干の酸味の正体とは?
梅は、大和朝廷のころ遣隋使によって中国から持ち込まれ渡来したと言われています。そして梅の木は長い年月をかけて日本の風土に合うようになっていったそうです。梅は中国のものであっても、シソと一緒に梅干を漬ける、という発想は日本人が考えたとか。そうすると、「梅干」は日本で生まれ育った食べものということになるようです。
梅干には食中毒を防止したり、コレラや腸チフスなどの伝染病の予防や治療に効果を発揮するとして、江戸時代頃には薬として重宝がられたそうです。よく言われる「ウナギと梅干」の食い合わせはダメ、という話は超有名ですが、医学的な根拠はまったくありません。
さて、そんな梅干のパワーの正体。それは「クエン酸」なのです。クエン酸とは、酸っぱいものに含まれている有機酸類の一種で、グレープフルーツやレモン、酢などにも含まれています。このクエン酸が体内の代謝を円滑にするために働いているのです。
■クエン酸のはたらきとは?
食事からとった脂質やたんぱく質、炭水化物、糖質などの栄養素は、消化されてエネルギーとなります。このことを解明したのは、1953年にノーベル賞を授与されたイギリスの学者、クレブス博士の「クエン酸サイクル理論」です。
ちょっと難しい話になりますが、例えば糖質は分解されて、最終的には酸化して熱を作る過程に入ります。この過程を「クエン酸サイクル」と呼びます。つまり、クエン酸サイクルで熱(エネルギー)が作り出されているのです。
食べものから取り込まれた糖質はすべてグルコースに変換され、グリコーゲンとなり肝臓などに蓄積されますが、そのとき使われなかった余分なグルコースはそれぞれの細胞に送られ、細胞内で代謝されてピルビン酸になります。
ピルビン酸はさらにアセチルCoAという物質になり、クエン酸サイクルへと進むのです。吸収された糖質がクエン酸サイクルに入ってしまえば、すべてエネルギーに代わり脂肪合成されることはないので、「体脂肪はたまらない」ということになります。
■クエン酸が不足するとどうなる?
「クエン酸サイクル」で、クエン酸が不足するとどうなるのでしょうか?普通なら、ピルビン酸からアセチルCoAへと段階を進むはずですが、クエン酸が不足することでクエン酸サイクルが活発に働かなくなり、ピルビン酸がクエン酸サイクルに入ることができず、疲労物質である乳酸へと変化してしまいます。そこで疲れを感じるようになるのです。
また、アセチルCoAもクエン酸サイクルに入ることができず、脂肪酸へと変化してしまいます。その結果、体脂肪がたまってしまうことになります。つまり、クエン酸不足は疲労や体脂肪増加を招いてしまうのです!これが、「酸っぱいものを食べると健康になる!」と言われる所以であります。
クエン酸は、オレンジやレモン、グレープフルーツなどの柑橘類にも多く含まれています。サプリメントを利用するのもよいでしょう。また、ビタミンB群と共に摂取することでクエン酸のパワーは増大します。疲労や体脂肪の蓄積を招かないためにも、ぜひクエン酸を多く含んだ食品を食べるようにしましょう。
「healthクリック」より
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