パソコン、携帯電話、ゲーム機…このような機器の画面と、毎日毎日にらめっこしている、という方も多いのではないでしょうか。VDT症候群に注意しましょう。
■VDT症候群とは?
前述のような機器に使われている画面(画面表示をする装置)は、VDT(Visual Display Terminal)と呼ばれており、これを長時間見続けて作業することにより生じる健康障害の総称を、VDT症候群といいます。
代表的な健康障害は、目の疲れや肩こり、腕や首の痛みなどです。悪化すると、頭痛が続いたり、指先に痛みを感じたりするほか、食欲不振や不眠なども加わり、日常生活に支障をきたすことがあります。気になる症状が続く場合は、早めに専門医の診察を受けましょう。
■予防するには
今回は、職場でも自宅でも使う機会の多いパソコンに注目し、パソコン作業によるVDT症候群を防ぐ工夫を4つご紹介します。
(1)10分ごとに数秒間、遠くを見る
目は、近くのものに焦点を合わせる時、水晶体(レンズ)を厚くして光の屈折率を上げるために、そのまわりにある毛様体筋(もうようたいきん)を収縮させています。
一方、遠くのものに焦点を合わせる時は、毛様体筋を弛緩させています。したがって、画面を見続けるほど毛様体筋の緊張状態は続き、やがて、目の疲れや充血、かすみ、まぶたのけいれんなどがあらわれます。
さらに、パソコン作業中は、画面を見続けるだけでなく、パソコンのキーボードや書類にも視線を移すことが多いため、その度に焦点を合わせ直している毛様体筋の疲れは、時間とともに蓄積していきます。
(2)1時間に1度はからだを動かす
首や肩、腕、手、背中、腰などの筋肉は、座った姿勢を保ったり、キーボードやマウスを操作したりするために、想像以上の緊張状態が続いています。
パソコン作業を1時間続けたら15分は休憩することが理想的ですが、せめて、1時間に1度は、背筋や腕を伸ばす、肩を上下させる、手を肩に添えて肩を回す、イスから立ち上がってからだ全体を軽く動かす、などの動きを取り入れましょう。その後しばらくは、書類を扱う作業やコピー取りなど、パソコン作業以外の仕事に取りかかるとなおよいでしょう。
(3)作業環境を調節する
画面と目との距離は、40〜70cm程度になるように調節しましょう。画面の位置は、イスに座った状態で見た時に、目線よりもやや低い位置にくるように調節しましょう。
イスは、床から座面までの高さが37〜43cm程度の範囲で調節可能であり、背もたれがついたものがよいでしょう。机は、60〜72cmの範囲で調節可能であり、その高さに、キーボードに手を置いた時のひじの位置がくるものがよいでしょう。
(4)パソコン設定を調節する
画面の明るさは、初期設定のままでは明るすぎることがありますので、パソコンの説明書を確認して、少し暗めに調節しましょう。
また、ノートパソコンを持ち運んで様々な場所で作業する場合は、その場所の明るさに応じて画面の明るさを調節しましょう。 画面に表示される文字の大きさは、3mm以上がよいでしょう。
「健康管理士一般指導員メルマガ」より
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