人は20〜25歳ぐらいまでの青年期を過ぎると、身体機能が衰え始めます。これは、いくら科学・医学が発展しても食い止めることはできません。でも遅らせることは出来るのです。
■老化のメカニズム
老化を完全に食い止めることは絶対にできません。年齢のわりに若く見える人、年齢よりも老けて見える人がいるのは、老化のスピードに個人差があるためです。でも、「若く見える人＝老化していない」ではないのです。
では、具体的にはどんなことが老化なのでしょうか？まず挙げられるのは体力の低下。次いで環境への適応能力の低下、ストレスに対する忍耐力の低下などです。こういった身体機能能力は、何か1つ低下すれば次々といもづる式に低下し、それがさらに身体能力の低下を招いていくという悪循環を起こすのです。
■老化の悪循環
例えば、運動不足による体力低下が起こると、体を動かすのが面倒になり外出をしなくなる。外出をしなくなれば人間関係が苦手になり、ちょっとしたトラブルでも、以前より大きなストレスを感じるようになる。それが原因で病気になり、さらに体力の低下を助長することになります。
以上のような悪循環、あなたにも心当たりがないでしょうか？もしあるなら、この循環の環を断ち切ることが必要です。
■避けられない現象とは
老化現象の中にも、身体内的な要因が大きくどうしても避けられないものと、環境的な要因が大きく、努力次第で進行を遅らせることができるものがあります。まずは、どうしても避けられない現象について簡単にまとめてみましょう。
更年期障害（女性）
女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が、閉経時を機に急減するために起こる身体の不調。女性の体内の卵子は、実は産まれる前に生産が終わってしまっている。胎児の時点では、卵巣内に約700万個生産されるのだが、それもたちまち死に始め、出生時には100〜200万、月経の開始時（思春期ごろ）には約25万個ほどしか残っていない。思春期以降も卵子は一定率で減ってしまうため、閉経そのものを個人の努力で遅らせることはできない。
眼の老化（老眼・白内障など）
老眼、白内障などは、レンズのはたらきをする水晶体の劣化が原因で起こる現象。その進行をおさえることはなかなかできないようだ（ただし、白内障は手術などで比較的簡単に治療することができる）。
毛髪の老化（はげ・白髪など）
頭皮の下にある毛母細胞が老化して毛髪を作れなくなると共に、毛髪の根本を包む毛包という組織が破壊されたりして、髪が抜けてしまう現象がハゲ。年齢が高くなると共に髪の量が少なくなるのは共通だが、進み方は個人差が大きい。白髪は大体35歳ごろから現われる。原因は、メラニンという色素を包み込んだ毛髪中の細胞が減るため。どちらも、これらの細胞のはたらきを復活させる薬などが開発されているため（育毛剤「プロシペア」など）、老化の防止、抑制ができるようになる日が近いかも。
■老化を遅らせるための体・心・生活
進んでいく老化のスピードを少しでもゆるやかにするために、気を付けなくてはいけないポイントをご紹介します。
<体>
なんといっても体が健康であることが若々しさの秘訣。そのためにも運動は欠かせません。特に、下半身は身体全体の筋肉の2/3が集中しており、その部分が衰えると、いっきに体力が低下したと感じられるものです。車に乗ることが多く、ほとんど歩かないという人は、ストレッチやウォーキングなどから始め、少しずつ運動量を増やしていきましょう。大切なのは10分でもいいから毎日続けること。月に1度、何時間も激しい運動をするよりも、体力増強には効果があります。
<心>
ストレス社会の日本で働いている以上、まったくストレスを感じない人はほどんどいないでしょう。でも、同じ状況でもストレスを強く感じる人とそうでもない人がいるのも事実。過度なストレスは精神的老化を早めるばかりか、健康を害します。ストレスが原因で胃潰瘍になる人は、概して神経過敏で気が小さい、細かいことを気にし過ぎるという生格の人が多いようです。ストレスと上手につきあうためには、あまり思いつめないこと。趣味を持つなどして、気分転換をはかるようにしましょう。
<生活>
人間の体は、意志とは関係なく、昼間は活動的に、夜は休養するというリズムを保っています。この体内のメカニズムを狂わせるような生活を続ければ、体には相当なストレスがたまることになります。このストレスが老化の大きな原因になるのです。睡眠時間をきちんととり、食事は毎日決まった時間に3度とるなど、規則正しい生活をすることが、老化を遅らせるためには最も大切なのです。
「healthクリック」記事より
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