日本経済新聞・読売新聞に掲載された健康関連の新着情報を月に1度お送りします。ぜひ、日々の健康生活の参考にしてください。
■大腸炎リスク4倍、大阪大などが解明(2012年3月27日・日経)
虫歯の原因となる「ミュータンス菌」の一種に感染すると、腹痛や腸内出血などを繰り返す難病の潰瘍性大腸炎となるリスクが4倍以上になることを、大阪大や横浜市立大、浜松医科大などのチームが突き止めた。チームは「コラーゲン結合タンパク質」を持つなどする特定のタイプのミュータンス菌を薬剤で軽度の腸炎を発症させたマウスに注射した。すると腸炎が悪化し、注射しない場合の生存率が約7割なのに対し、注射すると約2割に減った。潰瘍性大腸炎患者98人の調査では56人がミュータンス菌に感染。うち約14％が特定タイプで、発症リスクが健康な人の4.55倍になった。この菌をマウスの口から与えても影響しないが、比較的少量でも血中に入ると腸炎が悪化し、生存率が下がった。歯磨きでできる小さな傷にも注意が必要で、強すぎる磨き方などは避けた方がよいという。
■高血圧・高血糖・脂質異常、細身も注意(2012年3月29日・読売)
メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）に注目した特定健診・保健指導（メタボ健診）の課題を議論してきた厚生労働省の検討会は、肥満でなくても、高血圧や高血糖などの危険因子を考慮して、新たに保健指導をするという制度見直しの基本方針を了承した。現在は、腹囲が基準値以上で、しかも高血圧、高血糖、脂質異常の3危険因子のいずれかに該当すると、特定保健指導の対象となる。肥満の判定に用いる「男性85センチ、女性90センチ」の腹囲基準は、変更しないが、肥満でない保健指導対象者を選ぶ新たな基準や、指導の具体的内容について今後検討を進める。
■自治体が音頭、「健康の駅」に注目(2012年4月1日・日経)
人口約4万2千人で高齢化率が25％を超す新潟県見附市は、「日本一健康なまち」を目指して、08年5月に市立病院の中に「健康の駅」をスタートさせた。健康の駅は、運動器具の器械、各種の測定装置が備わっており、血圧や骨密度、末梢血管の循環具合などを測ることができる。また、自分の体脂肪率、筋肉率などからの内臓脂肪の程度を知る「メタボ測定装置」や、脳年齢測定装置、1から100までの数字を書いた駒を「すうじ盤」の上に置いていき、かかった時間で脳年齢を推定するこころの健康教室もあるという。こうした病気を予防し、健康な生活をおくることによってどれだけ医療費が減るか、明確な結果は出ていないが、運動を続けている人の総医療費（外来用＋入院費）はそうでない人よりも少ないと、いうデータもあるという。
■微小ながんを光らせ、早期発見に(2012年4月10日・日経)
大阪府立成人病センターは、胃がんから腹部の腹膜に転移した微小ながんを光らせ、がんの有無を見つけられる新しい診断法を開発したと発表した。がん再発の早期発見に役立つという。胃がんの手術後に再発した患者は腹膜に転移している場合が多い。しかし、転移した病巣は非常に小さかったり腹膜に隠れていたりするため、手術時や検査で早期に見つけるのは難しかった。新技術で、非常に早い段階で転移が見つけられれば、抗がん剤治療の効果も出やすく、手術を組み合わせれば治癒できる可能性がある。高度医療での実用化を目指し、年内にも臨床実験を申請する。
■階段・坂道上り下り/スローピングで体力づくり（4月15・日経）
傾斜（スロープ）を利用した健康運動「スローピング」が関心を集めている。坂道や階段の上り下りを繰り返すだけで、特別な器具がいらないお手軽な運動にもかかわらず、ウォーキングを上回る効果が見込めると専門家は指摘する。心肺機能の向上も期待できるという。実践する場所は階段でも坂道でも構わない。階段を使うときは、まず前向きで5〜10分上り、次に体の向きを変えず下る。こうした動作を繰り返す。坂道の場合、初心者なら傾斜が5〜10度、自転車に乗って上るにはきついと感じる道を選び、100歩ずつ上り下りを繰り返す。スローピングは奈良岡治成氏が考案。1997年に国際スローピング協会を設立し、普及活動を進めてきた。運動が長続きしない人でも、特別な器具も場所も必要としないスローピングなら毎日続けやすい。
「健康管理士一般指導員」メルマガ記事より
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