コーヒーを飲む量を増やした人は、成人で発症する糖尿病(2型糖尿病)にかかりにくくなるとする研究結果が、25日の欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌「ダイアビトロジア(Diabetologia)」に掲載されました。
■比較的短期間のうちに糖尿病リスクに影響
研究チームは医療従事者12万人の食生活とライフスタイルを追跡した結果、1日のコーヒーの摂取量を4年間かけて1.5杯分ほど増やした人は、同じ量のコーヒーを飲み続けた人よりも2型糖尿病にかかる可能性が11%低かったといいます。
「さらに中程度から大幅に摂取量を減らした人(1日2杯分ほど)のリスクは18%高くなっていた」ことも研究チームは明らかにしています。
研究チームを率いた米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)のシルパ・ブパシラジュ(Shilpa Bhupathiraju)氏は「コーヒー摂取量の変化は、比較的短期間のうちに糖尿病リスクに影響を及ぼすようだ」と述べています。
また、最もコーヒーの摂取量が多かったグループ(1日3杯以上)は2型糖尿病のリスクが最も低く、1日1杯以下の人と比べて37%も低い結果が出ています。一方、紅茶やカフェイン抜きのコーヒーでは、摂取量の変化と2型糖尿病リスクとの間に関連性は見つからなかったそうです。
■リスクとの関連性には不明な点も
この研究結果は「リスクの真の変化」を示している可能性があるものの、一方で、2型糖尿病リスクと関連する高血圧やコレステロール値上昇を診断された人がコーヒーを飲む量を減らしただけ、という説明もつくと論文著者らは述べています。
また、サイエンス・メディア・センター(Science Media Centre)の依頼で論文を分析した専門家らは、同研究が短期的な利点を評価したに過ぎず、長期的なコーヒー摂取量の増加が糖尿病リスクを低減させる根拠を示していないと結論づけました。
さらに、同専門家らは、研究が摂取量ではなく、摂取の変化量を測定したものであることを指摘。「この論文からはコーヒーの推奨摂取量を導き出すことはできない」と述べ、データの統計分析結果は「誤解を招く恐れがある」と付け加えています。
論文著者2人のうち1人は、別の研究でコーヒー飲料や器具を手がけるNestecから資金提供を受けた経歴があるといいます。
「livedoorニュース」より
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