最近、健康な人の便にいる腸内細菌を患者の腸に移植し、腸内細菌の勢力を善玉菌優勢に塗り替えようという「糞便移植」が話題になっています。
■便の中身って?
ところで、便は何からできているか知っていますか?「消化・吸収されて、残った食物のカスが便になる」というイメージですが、実際は…。
(1)水分(約70〜80%)
消化管から分泌される胃液や胆汁、膵液は、1日に約6リットルに達するといわれ、これに食べものの中の水分や唾液を加えると、合計約9リットルの量になります。そしてこの栄養素を含む9リットルの液体は、小腸を進みながら体内に吸収されていきます。小腸に流れ込む9リットルのうち約7リットルは栄養素と共に小腸で吸収され、残り2リットルが大腸に入ります。そして、食物のカスが少しずつ2リットルの水分を吸いとって固まり、便として排泄されます。
(2)腸壁細胞の死骸(約5〜10%)
わたしたちの体を構成する細胞は、常に一定のサイクルで古いものから新しいものへと生まれ変わっています。そのサイクルは各臓器、器官によって異なりますが、特に腸の細胞のサイクルはとっても短いのが特徴です!なんと、1〜2日で新しい細胞へと生まれ変わり、古い細胞は便と一緒に排泄されます。
(3)腸内細菌の死骸(約5〜10%)
わたしたちの腸内には100兆個以上の腸内細菌がいるといわれています。この腸内細菌は大きく分けて「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3つにわけられます。善玉菌は人間が消化できない食物繊維を消化したり、免疫を制御する(抗アレルギー)作用を持っています。一方の悪玉菌は発がん物質や有害物質を作ります。悪玉菌が優勢になると、肌荒れやさまざまな病気を引き起こす原因になるといわれています。また、日和見菌は働きがはっきりせず、善玉とも悪玉とも呼べない菌です。しかし、腸内で善玉菌が優勢になれば善玉菌の働きを助け、逆に悪玉菌が優勢になれば悪玉菌の働きを助けるようになります。
(4)食べ物のカス(約5〜10%)
食べ物のカスには食物繊維などの人間が分解、吸収できなかったものが入っています。全体でみると、食べ物のカスはたったの5〜10%程度。私たちは食べたものの大半を効率よく吸収していることがわかりますね!
■どんな方法で移植するの?
糞便移植については、日本でもさまざまな大学病院で臨床研究が進められています。日本では主に、健康な自分の20歳以上の2親等以内の家族もしくは配偶者から便を提供してもらい、それを生理食塩水と混ぜ合わせ、さらにフィルターでろ過をして食物繊維などのカスを取り除きます。そして、ろ過した液体を内視鏡で大腸に直接注入するという方法です。
便を提供するドナーは事前に健康状態や既往症、生活習慣をチェックされます。さらに、提供された便は健康に被害のある細菌やウイルス、寄生虫がいないか検査をして、ようやく患者に提供されます。移植方法は意外と原始的で簡単にできるのですが、ドナーの選別が少々困難です。
■何が期待できるの?
さまざまな病気の中でも、潰瘍性大腸炎と呼ばれる炎症性の腸疾患に対する新治療として考えられています。潰瘍性大腸炎は国の難病に指定されている疾患の1つであり、10代後半〜30代前半の比較的若年者が発症するといわれています。大腸の粘膜がただれて炎症を起こし、粘液便や血便、下痢を繰り返すようになります。さらに発熱、体重減少、貧血などの症状もみられることがあります。現段階では重篤な副作用や大きなトラブルは報告されておらず、症状の改善例も順調であるとされています。
わたしたちが毎日出している便が、これからの医療を支えていくのかもしれませんね!
「健康管理士一般指導員」メルマガ記事より
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