眠いときは、条件反射的にコーヒー!という方も多いはず。でも実は、知らないうちに“眠いときのコーヒー”のデメリットを受けている人もいるかもしれません。
■眠いときのコーヒーが眠気覚ましになる人・ならない人
お昼のおやつと一緒にお茶を飲むと夜に眠れなくなる人もいれば、眠る直前に濃いコーヒーを飲んでもぐっすり眠れると断言する人まで、カフェインに対する感受性は人によってさまざまです。日本人は古くからお茶を飲んできたので、カフェインに対する耐性がある人が多いともいわれています。
しかし、夜遅くにカフェインをとってきた人が全くカフェインをとらなくなると、睡眠の質が良くなることが知られています。ですから、カフェインに耐性があると思っている人でも、少しは眠気覚ましになっているようです。
また、カフェインの目覚まし効果は、いつまでも続くわけではありません。睡眠時間を1日5時間に制限し、200mgのカフェインを1日2回とる実験が行われました。この実験では、初めの2日間はカフェインによる目覚まし効果が見られましたが、3日目からは効果がなくなりました。
つまり、睡眠不足が3日以上も続いて眠いときには、せっかくカフェインをとってもその覚醒効果が期待できないということです。
■眠いときにカフェインが眠気を減らすメカニズム
脳の中で働く睡眠物質のひとつに「アデノシン」があります。アデノシンは「ギャバ神経」を介して、脳の活動を抑えたり、睡眠の中枢に働いて脳全体を眠らせたりする働きがあります。このため、アデノシンが脳にたまってくると、眠気が強くなってくるのです。
カフェインは、アデノシンが神経細胞に作用することを邪魔して、眠気を減らします。また、カフェインは脳の「報酬系」という部分を刺激するので、起きているのが楽しくハイな気分にして覚醒度を上げてくれます。
ですから、眠いときにカフェインをとったからと言って、眠気がなくなるわけではありません。眠気を“感じにくくなった”だけで、睡眠物質・アデノシンは起きている時間と比例して、脳にドンドンたまってきます。そんなときに、カフェインが分解されて脳内の濃度が下がってくると、一気に強い眠気が襲ってくるので要注意です。
■カフェイン摂取でかえって眠気が強くなる!?
お茶やコーヒーを飲むと、トイレへ行く回数が増えます。これは、カフェインの利尿作用(尿をつくる働き)によるものです。眠いときに眠気を抑えようとして何杯もお茶やコーヒーを飲むと、その分たくさんの尿が作られます。それが続くと、身体の中から水分が失われ、脱水状態になります。脱水状態では身体がだるくなり、やる気もなくなって、眠気が強まってしまいます。
また、カフェインによってアデノシンの働きが抑えられると、アデノシンがたくさん作られ始めます。アデノシンは、「アデノシン3リン酸(ATP)」が分解されて生まれます。このアデノシン3リン酸(ATP)は、細胞のエネルギー源です。
つまり、カフェインをとると、細胞のエネルギー源が減るということです。その結果、カフェインをとり続けると、眠気が取れるどころか、疲労や眠気が強くなってしまうのです。
夜に明るい光を浴びると、体内時計が遅いほうにずれて、夜更かしの朝寝坊になります。夜にカフェインをとると、体内時計がさらに遅れることがわかっています。米コロラド大学ボルダー校の研究グループが、寝床につく3時間前にカフェインをとって体内時計の変化を調べました。
やや暗い光を浴びてカフェインを飲んだときには、カフェインをとらなかったときと比べて、体内時計が40分ほど遅れました。これは、夜にカフェインをとると、夜更かしで朝寝坊の方向に、体内時計が遅れることを示しています。
また、明るい光を浴びるだけで、体内時計は85分遅れました。明るい光を浴びたうえ、さらにカフェインをとると、105分も体内時計が遅れることが分かりました。
体内時計が遅れるということは、翌日以降も夜更かしの朝寝坊になるということです。その時だけの眠気覚ましも大切ですが、次の日以降への悪影響も考えておかないといけないようです。
さらに、カフェインを大量に摂取すると、不眠症や神経症、高血圧、不整脈になったり、心拍数が増えたりするので、注意が必要です。妊婦がコーヒーや紅茶、お茶などを飲むと、胎児にもカフェインが移行して、母体と同じくらいの血中濃度になることも知っておきましょう。
■眠いときにコーヒーでシャキッ!に必要な条件
まず、カフェインの目覚まし効果を有効に利用するためには、普段から寝不足でないことが大切です。先に述べたように、寝不足が続いていると、カフェインの効果は2日間しかないからです。カフェインは「ここぞ!」というときに、眠気覚ましの切り札として使いましょう。
また、健康に問題を起こさないカフェインの摂取量は、妊娠中の女性以外の成人では1日に400mg以下です。コーヒーが200mLに80mg、紅茶で200mLに44mg、緑茶は200mLで 30mgのカフェインを含んでいます。1日の推奨摂取量の上限である400mgは、コーヒーが5杯、紅茶で9杯、緑茶は13杯です。
大事なときにカフェインをしっかりとるために、いつも飲むコーヒーは1日1〜2杯にとどめておいた方が良さそうです。
ちなみに、妊娠中の女性は上記の半分の量で、1日200mg未満が勧められています。
カフェインをとるタイミングも大切です。カフェインをとってから覚醒効果が表れるまでに、15分〜1時間ほどかかります。眠ってはいけない場面の少し前に、カフェインをとるようにしましょう。20〜30分ほどの仮眠をとるなら、仮眠の前にカフェインをとると良いです。そうすると、目覚めるころに覚醒効果が現れるので、仮眠のあとにロケットスタートを切れます。
カフェインの効果は年齢や性別、感受性などにもよりますが、長いと5〜6時間も続きます。夜の睡眠に悪影響が出ると翌日以降もつらくなりますから、夜遅くにカフェインをとるのは控えたほうが無難です。
■眠いときに頼れる、コーヒー以外の眠気覚まし
カフェインに頼らず、眠気を追い払うワザもあります。
冷たい刺激は、交感神経の働きを活発にして、眠気を減らしてくれます。部屋の温度を下げたり、冷たい水で顔を洗ったり、冷水を飲んだりしましょう。笑ったり話したりすることも、有効です。これらのことで脳が活性化して、目が覚めてきます。家庭ならお笑い番組を見たり、会社なら上司や同僚に話しかけたりしてはいかがでしょうか。
脳の覚醒系に関係する物質に、「セロトニン」があります。セロトニンは、リズムがある運動をすると増えます。ガムをかむと目が覚めてくるのは、セロトニン神経が活発になるからです。セロトニンを増やすリズム運動には、ウォーキングやジョギング、自転車、水泳などがあります。また、歌を歌ったり踊りを踊ったり、親しい人と会ったりしても、セロトニンが増えます。
“眠いときにはまずコーヒー”という習慣の方は、少し見直しが必要かもしれません。眠気覚ましのカフェインを正しい方法で取り、カフェイン以外の眠気覚ましの技を同時に行うことで、手ごわい眠気に打ち勝ってください。
「livedoorニュース」より
そして、カフェインを正しい方法で取るとともに、ぜひ有機ゲルマニウムを健康ライフの強い味方にしてみてはいかがでしょうか。
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