熱や紫外線などから細胞を保護する「熱ショックタンパク質」（ＨＳＰ）が、うつ病の発症に関与していることがマウスの実験で分かったと、岡山理科大と徳島大病院の共同研究グループが発表しました。
うつ病の予防や新たな治療法の開発に役立つ可能性があるといいます。論文は３１日付の米科学誌サイエンス・アドバンシーズに掲載されました。
研究グループは、ストレスを与えてうつ状態にしたマウスの脳の海馬で、ＨＳＰ１０５と呼ばれるタンパク質が著しく減少したことに着目。ＨＳＰを増やす薬剤テプレノンを投与すると、うつ行動が改善したといいます。
ストレスを受けると、脳の神経細胞の維持に欠かせない神経栄養因子が減少しますが、ＨＳＰ１０５の働きによって増えることも分かりました。
テプレノンは胃薬として広く使われています。安全性も高く、研究が進めばうつ病患者への適用拡大が期待されます。事前にＨＳＰを高めるなどの方法で、予防につながる可能性もあるといいます。
岡山理科大の橋川直也講師は「うつ病は多くの人が関心を持つ社会的な問題。より安全性の高い方法で治せるようにしたい」と話しています。
「livedoorニュース」より
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