日常に起こる小さなイライラ「デイリーハッスル」。これがずっと続けば大きなストレスになってしまいます。そんなデイリーハッスルは、どう解消したらいいのでしょうか?
■「ライフイベント」のストレス
「最近、ストレスがたまっているな〜」と感じたとき、どんなシチュエーションでストレスがたまるのかを、ちょっと振り返ってみましょう。
ストレスが起こる原因には、大きく分けて2つの種類があります。一つは、「ライフイベント」と呼ばれるもの。結婚、離婚、死別、就職、解雇、出産などのように、人生のなかで起こるさまざま出来事(イベント)をさします。
ライフイベントの場合、その出来事が劇的であるほど、ストレスも強くなる傾向があります。
「社会的再適応評価尺度」によりますと、ストレス度の高いライフイベントの上位5位内に、パートナーや家族との死別、離婚、別居、刑務所拘留、ケガ・病気が入っています。どれも、卒倒しそうなほどの大事件ですよね。また幸せな出来事であるはずの「結婚」も、なんと7位に入っています。たとえ楽しいことでも、そのイベントが大きくて刺激が強い場合、ストレス度が高くなることが分かります。
■日常の小さなイライラ「デイリーハッスル」
ストレスの源は、こうした人生の大事件ばかりではありません。実は、日常の中で起こる小さなイライラも、長く続けばストレスがたまり、健康に与える影響が大きくなります。こうした日常の中の小さなイライラを「デイリーハッスル」と言います。
デイリーハッスルには、どんなものがあるでしょう? 人それぞれではありますが、一般的には、こんなケースに心当たりのある人も多いのではないでしょうか?
・妻(夫)がいちいち嫌味を言う
・子どもに何度注意をしても、守ってくれない
・上司の話し方、注意の仕方がムカつく
・夫(妻)が話をちゃんと聞いてくれない
・隣の家の騒音が気になる
・会社までの通勤距離が長すぎる
・片づけても片づけても、家族が部屋を汚す
・姑が家事の作法をいちいちチェックする
…このように、デイリーハッスルを数え始めたら、きりがありませんね。
■解決可能なデイリーハッスルの対処法は?
デイリーハッスルを気にし始めると、人生が嫌になってしまいます。だからこそ、そのときの「嫌な気分」に巻き込まれないことが大切になります。そのためにも、デイリーハッスルをしっかり分析し、ケースにあった対応を考えていきましょう。
たとえば、他人が関わるデイリーハッスルのうち、解決可能なものは思い切って交渉してみましょう。嫌味を言う妻(夫)や口うるさい姑には、自分の気持ちを分かってもらわなければ、いつまでもストレスが続いてしまいますね。そこで、思い切って「言わないでほしい」としっかり伝えてみましょう。相手が自覚して嫌味や干渉をやめてくれれば、そのストレスはなくなります。1対1の交渉が難しければ、誰かに相談して応援を頼む方法もあります。
また隣家の騒音などは、こちらの努力ではどうにもなりません。やはり勇気を持って、「音が漏れてますよ」「音量を下げてもらえる?」と交渉してみる必要があります。伝えにくければ、手紙をポストに入れておくという手もありますし、大家さんや管理人に相談するのもいい方法です。
■解決の難しいデイリーハッスルの対処法は?
解決を考えても、それが難しいデイリーハッスルもあります。たとえば、上司の話し方にイライラしていても、「その話し方、癇に障るからやめてください」なんてとても言えませんよね。メリット・デメリットを考えたら、解決しない方がお得というケースも多いものです。そういう場合には、上手くそのストレスを散らしていくといいでしょう。
そもそも他人の話し方ばかり気になってしまうのは、意識がそこに向きすぎているからです。退社後や週末にパーッと気分転換できることがあれば、「上司が何を言おうがどうでもいい」と思えるのではないでしょうか? おいしいものを食べる、ショッピングに行く、おしゃべりをするなど、何でもいいので、趣味や気晴らしを大切にしていれば、ストレスを上手くかわせるようになります。
また、「会社までの通勤距離が長すぎる」といった問題も、解決は難しいものです。会社の近くに引っ越せば問題は解決しますが、そう単純にはいきません。そうした場合には、通勤に対する発想そのものを変えてみましょう。通勤時間が長ければ、それだけ読書や勉強の時間を確保できますし、そのためにわざわざ遠いところを選んで住んでいる人もいます。長い距離の定期券を持っていれば、区間内の途中駅で降りてブラブラできたり、土日も使えるなどとってもお得です。
考え方次第で、「ストレス源」だと思っていた物事を、有効に利用できることも多いものです。
「All About」記事より
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