厚生労働省の健康保険法の改正により、今年から始まった「メタボ健診」。生活習慣病の予防・改善が目的ですが、そもそも「メタボリックシンドローム」ってどんなものでしょうか。肥満=メタボなのでしょうか?
生活習慣病には肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)などがありますが、これらは以前「死の四重奏」と呼ばれていました。しかし、これらの病気には個々の原因があるのではなく、肥満、しかも内臓脂肪の蓄積によって引き起こされると考えられています。
メタボリックシンドロームは「metabolic=代謝」「syndrome=症候群」の意味で、代謝異常症候群のことを言います。内臓脂肪の蓄積によって代謝異常が起き、複数の生活習慣病を持ち合わせているほど「動脈硬化」を促進してしまいます。その結果、心臓だったら心筋梗塞や狭心症、脳であったら脳梗塞、また血管では閉塞性動脈硬化症などといった「死に直結する病気」を引き起こしてしまいます。
日本人はもともと農耕民族で、穀類、野菜、魚が中心の食文化でした。食料が不足している状態でも生き延びていけるように、少ない食べ物でも効率よくエネルギーを蓄えることができる民族なのです。これは言い換えれば「外国人より脂肪が付きやすい体質」ということです。飽食の時代となり、高カロリー・高脂肪の食生活を続ければ、私たち日本人は肥満や内臓脂肪蓄積を起こしやすいのです。もちろん慢性的な運動不足も原因の1つです。あなたは大丈夫ですか?