ヨーグルトなどでおなじみの乳酸菌。今回は知ってお得な乳酸菌の分類と、ビフィズス菌、ヤクルト菌、LG21、ブルガリアヨーグルトについてマニアックに取り上げてみました。
■乳酸菌とは?
毎朝の朝食や、コンビニグルメでもおなじみの乳酸菌飲料・食品ですが、乳酸菌って一体どんな菌なのか具体的ご存知でしょうか?乳酸菌とは「乳糖やブドウ糖を分解して大量の乳酸をつくる細菌」の総称なのです。
<自然界の棲息場所からの分類 >
動物性乳酸菌 動物由来のミルクや肉に好んで生育します。
植物性乳酸菌 植物由来の漬け物、穀類や果汁などに好んで生育します。
腸管系乳酸菌 ヒトや動物の腸内に棲息します。
<食品科学の立場からの分類 >
腸内乳酸菌 食べた時に腸内に生きたまま到達できる乳酸菌の事です。
酪農乳酸菌 食べた時に腸内に到達することはできませんが、チーズなどの乳製品のスターター(発酵の開始)に使います。
<プロバイオテクス>
ヒトの腸内環境(腸内微生物)を整える作用を持つ微生物のこと。生物間の共生(probiosis:プロバイオシス)の意味を持ち、その反対語はantibiotic(アンチバイオティック:抗生物質)。
※プロバイオティクスの立場からは「腸内乳酸菌」が体にとって望ましい事になります。
■ビフィズス菌とは?
ビフィズス菌を顕微鏡で見ると、YやUの字のように枝分かれしています。
この菌の形態からラテン語で「分岐」の意味を持つビフィッド(bifid)をとり、ビフィズス菌と名付けられました。
形からの分類なので菌の性質を示しているわけではありません。ですから、ビフィズス菌はプロバイオティクスの効果があるとは限りません。
■ヤクルト菌とは?
ヤクルトの名前の由来は、エスペラント語でヨーグルトを意味するヤフルト(Jahurto)からの造語がヤクルトです。ヤクルト菌は、胃液や胆汁に抵抗性があるので「腸内乳酸菌」ということになります。
宣伝では学名のラクトバチルス カゼイシロタ株と言っていますね。このラクトバチルスにもきちんと意味があります。
ラクト = 乳 + バチルス=菌(桿菌:細長い菌)=乳酸菌
■LG21とは?
ピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃の悪性リンパ腫に関係する細菌です。このピロリ菌を減少させるのがLG21です。Lはラクトバチルスを表しています。LG21は胃の中で乳酸を作ってピロリ菌を殺します。
■メチニコフの仮説とブルガリアヨーグルト
乳酸菌が善玉菌といわれる理由はいくつかありますが、ロシア出身のノーベル賞受賞の研究者メチニコフの研究(メチニコフの仮説)が良く引用されます。
※メチニコフは海洋生物(ヒトデ)の研究から、細胞性免疫の基礎となる「捕喰細胞」(Macrophage、食細胞)の研究で1908年にノーベル賞を受賞しています。乳酸菌に関連してノーベル賞を受賞したのではありません。
少し難しい話ですが、メチニコフは、梅毒と動脈硬化の研究から、「老衰の原因は動脈硬化ではないか」次に「動脈が硬化するのは自家中毒による」との仮説をたてました。※これがメチニコフの仮説です。(この仮説では直接、乳酸菌については触れてはいないのです。)
腸内の細菌より産出する毒素は、自家中毒の原因であり、毒素の産生を抑えることが動脈硬化を予防し、長寿につながると考えました。ここでいう自家中毒は小児の病気の自家中毒とは別のものです。
メチニコフはその後ヨーグルトの会社を起しました。当時、ブルガリア地方は長寿で有名でした。メチニコフは、ブルガリア地方の常食であるヨーグルト中の乳酸菌が腸内の細菌の毒素産生を抑えて、自家中毒を減少させて、老化の原因の動脈硬化を予防し、長寿につながると考えたからです。
しかし、当時のヨーグルトの生産に用いた乳酸桿菌は酪農乳酸菌でした。酪農乳酸菌は腸までは生きて到達しないので、腸の細菌の毒素産生を抑えて、いわゆる自家中毒の予防には直接的には貢献しなかったはずです。なお現在のブルガリアヨーグルトは2種類の「腸内乳酸菌」を使っています。
以上、マニアックな乳酸菌のお話でした。雑学としてチョットしたときに自慢できますよ。
「All About」記事より
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