生活習慣病に該当する疾患は非常に多く、大部分の疾患が生活習慣に関連しているのですが、統計的に全患者数を把握することは難しく、特に糖尿病は統計結果より多数の患者がいると思われます。
■生活習慣病関連の患者数は
厚生労働省による、医療機関に受診している主要な生活習慣病の患者数の統計調査結果では、
<平成８年度>
虚血性心疾患 119.0万人
脳血管障害 172.9万人
高血圧症 796.7万人
糖尿病 217.5万人
<平成20年度>
虚血性心疾患 80.8万人
脳血管障害 133.9万人
高血圧症 749.2万人
糖尿病 237.1万人
であり、平成20年度では虚血性心疾患と脳血管障害及び高血圧症の患者数はやや減少していますが、糖尿病の患者数は増加しています。
また、疾患の症状が重く、発症すれば医療機関に受診すると考えられる虚血性心疾患や脳血管障害などは患者数が把握しやすいと思われますが、糖尿病をはじめとする多くの生活習慣病は自覚症状が乏しいことから、医療機関に受診していない患者や健診を受けておらず疾患にかかっていることを知らない患者が多くいると考えられます。
厚生労働省の平成19年の別の調査（国民健康・栄養調査結果）によると、糖尿病が強く疑われる人は890万人、糖尿病の疑いが否定できない人（糖尿病予備軍）は1320万人で合計2210万人とされており、日本国民の６人に１人は糖尿病かその疑いのある人であると考えられています。
■糖尿病はどのような病気なのか
糖尿病とは、血液中のブドウ糖（血糖）が慢性的に高くなっている状態です。膵臓ランゲルハンス島でつくられる血糖を下げる唯一のホルモンである「インスリン」の作用不足が原因となります。名前は「糖尿病」ですが、血糖値によって診断されるので、尿に糖が出ていなくても糖尿病と診断される場合があります。
■糖尿病になる原因は
糖尿病になる原因は、カロリー過剰摂取、運動不足、肥満が主な原因です。遺伝的要因も重要で、両親や祖父母、兄弟が糖尿病の場合は糖尿病になりやすいとされています。加齢も原因となります。他にストレス、悪性腫瘍や感染症により、糖尿病を発症することがあります。
■糖尿病の自覚症状は
血糖の上昇が緩やかな場合は、合併症が進行するまで自覚症状がないことが多いですが、血糖が急に上昇すると、喉の渇き、尿の回数・量の増加（特に夜間）、体重減少、倦怠感（疲れやすい）、感染症（傷が化膿して治りにくいなど）といった症状が現れます。このような症状が現れた時には、血糖が相当高くなっており、合併症が進行しやすい状態になっていると考えられます。また、血糖が急激に上昇することで、糖尿病性昏睡（意識障害）という生命を脅かす重い合併症を起こすことがありますので、早く医療機関を受診する必要があります。
「DRP Online Magazine」より
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