紫外線の強いシーズンがやってきました。紫外線による健康被害が分かってきている今、皮膚のためにも出来るだけ紫外線をブロックしてお肌をケアしたいものです。
■紫外線が皮膚に及ぼす影響とは
紫外線はその波長の長さによって、UVA、UVB、UVCに分類されます。波長の長いUVAは、その害はさほど強くはないのですが、ガラスを通り抜けて室内に入り込み、皮膚の奥まで浸透するという性質を持っています。
UVBは、UVAより波長が短いため大気中のオゾン層で一部が吸収されますが、地表に届いたUVBは皮膚の表皮内で細胞のDNAを傷つけるなど、皮膚に悪影響をもたらします。UVCは非常に有害ですが、オゾン層に完全に吸収され、地表に届くことはありません。
これら紫外線のうちUVBは皮膚が赤くヒリヒリし、水ぶくれが出来るサンバーンを引き起こすなど、以前から皮膚に悪影響をもたらすことが知られていました。しかし最近ではUVAも、皮膚が黒くなるサンタンを引き起こすほか、ジワジワと時間をかけてシワ、たるみを作り出すことからその対策が重要視されてきています。
たとえば、日焼けサロンでは人工的にUVBをカットし、UVAだけを照射するという方法でサンタンを起こし、皮膚を黒くします。これについてWHO(世界保健機関)は、UVAの浴び過ぎは皮膚に健康障害を引き起こすとして、18歳以下が日焼けサロンを使用することの禁止を勧告しています。
このように、紫外線についてはUVBだけでなく、UVAについても対策を講じる必要があるというのが、現在の考え方となっています。
■サンスクリーン剤の紫外線防止効果
紫外線による影響を抑えるためにはまず、サンスクリーン剤を使用して、日常的に紫外線をブロックすることが基本となります。サンスクリーン剤には、紫外線をブロックするための紫外線防止剤が配合されていますが、紫外線を防止する方法の違いによって、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類に分けられます。
紫外線吸収剤は、配合されている成分自体が紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出するという方法で紫外線をブロックします。一方の紫外線散乱剤は、パウダー状の成分で紫外線を物理的に散乱させるというもので、それぞれはたらき方は違いますが、紫外線が肌細胞へ浸透するのを防ぐという目的は同じです。
使ったときの違いとして、紫外線吸収剤は塗った部位が白くならないという利点がありますが、まれに吸収材の成分にアレルギー反応を起こす人がいます。一方、紫外線散乱剤はアレルギーの危険性はほとんどありませんが、パウダーを使用しているため、白く目立ちやすい製品もあります。
ただ最近では、紫外線吸収剤をきわめて微小なマイクロカプセルに包み込み、皮膚に直接触れないようにして安全性を高めた製品や、紫外線散乱剤の粒子を小さくして白浮きを抑えた製品が開発されています。さらには耐水性や、敏感肌に対する工夫など、より使いやすいよう改良が加えられた製品が増えています。
サンスクリーン剤は、肌質や好み、使う場面などを考えて選び、場合によってはいくつかの製品を使い分けるなどして、上手く紫外線をブロックすることをおすすめします。
■自分に合ったサンスクリーン剤選びを
サンスクリーン剤は現在、表のようにさまざまなタイプのものが販売されています。実際にサンスクリーン剤を使用するにあたっては、何をポイントに選べば良いのでしょうか。
まず始めに、どれくらい紫外線をブロックする効果があるかが気になりますが、サンスクリーン剤はUVBを防ぐ効果をSPF、UVAを防ぐ効果をPAで表します。SPFは日本では現在、50+が上限で、PAは効果の高さを+〜+++の3段階で表示しています。
それならばSPF50+、PA+++の製品がベストであると思われるかもしれませんが、SPF・PAの高い製品は紫外線防止効果が高い半面、皮膚への負担も大きくなります。そのためSPF・PAの値を参考に、季節や場所、屋外にいる時間帯など、TPOに応じた使い分けを考えると良いでしょう。
たとえば、アウトドアではSPF30以上、PA+++が望ましいですが、日常的な紫外線予防にはSPF10〜20、PA+〜PA++で効果が得られるとされています。海水浴やプールなど、水に濡れる場合は耐水性のある製品を選ぶと良いでしょう。
また、子ども用や敏感肌用のサンスクリーン剤は、紫外線散乱剤のみを含む製品が多く、そうした製品は「紫外線吸収剤無配合」「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミカル」などと表示されています。アレルギーが気になる人は、この表示を参考にして下さい。
サンスクリーン剤に含まれる成分は、容器やパッケージにすべて表示することが法律で定められています。製品を購入する際には、どんな成分が含まれているか確認し、自分の肌にあった製品を選びましょう。
■皮膚トラブルを避ける対策とケア
紫外線による影響は、住んでいる地域や個人の生活環境、肌質によっても異なりますが、紫外線による影響が強いと感じられる場合は次のような対策を行うと効果的です。
・天気だけでなく、その日の紫外線予報もチェック
・可能な限り、紫外線の多い時間帯は外出を避ける
・外出時はなるべく日陰を利用する
・日傘やつばの広い帽子、サングラスなどで紫外線をさえぎる
・えり・そでのついた衣服で皮膚を覆う
・紫外線カット効果のある衣類を着る
・サンスクリーン剤を携帯し、外出先でも塗り直す
紫外線をブロックするにあたってサンスクリーン剤の使用は欠かせませんが、人によってはその成分がアレルギーを引き起こすことがあります。湿疹や皮膚炎が生じている皮膚ではなおさら、紫外線防止成分が刺激となって症状を悪化させるケースも考えられます。
そのため湿疹・皮膚炎などがあるときは、まずは治療に専念し、短期間で症状を抑えるように努めましょう。その間はサンスクリーン剤の使用を控え、なるべく帽子や衣類などで紫外線を防止する工夫を行って下さい。
サンスクリーン剤は、皮膚に成分を残すとトラブルになります。通常のサンスクリーン剤は一般的な石鹸や洗浄剤で落ちますが、耐水性の高い製品などは、専用のクレンジングでていねいに落として下さい。
紫外線を浴びたら、素早くケアをすることが大切です。サンバーンを起こしてしまった場合は、ヒリヒリした患部に冷たい濡れタオルをあてたり、氷水を入れたビニール袋をタオルでくるんであてるなど、はやめに皮膚を冷やすことが重要です。
日焼けによる炎症がひどいときには、炎症をおさえるはたらきのあるステロイド外用剤を薬局で購入するなどして、早めに症状を改善するようにします。水分・電解質を充分補給し、休養をとることも大切です。
数日使用しても症状が改善せず、発熱や倦怠感、脱水症状などの症状が見られるなど、症状が重い場合には医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにして下さい。
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