おせち料理でおなじみの縁起物の一つキンカンは、古くから風邪予防などにもよいとされてきました。キンカンの栄養素や注目の成分をご紹介します。
■民間療法に利用されてきたキンカン
キンカンは、黄金色の様子から金柑と書きますが、おせち料理には「金冠」と当てて、富み栄えるようにという願いをこめた縁起物とされます。
しかしキンカンは、名前がおめでたいだけでなく、今でものど飴などの原料にも使われているように、古くからの民間療法でキンカンが風邪の咳や喉の痛みの回復に役立つとされてきました。近年は、キンカンに含まれているどの栄養素や成分が役立つのかということも分かってきています。
■風邪に効くとされる栄養素や成分は?
金柑の果皮にはシネフリンという成分が含まれています。シネフリンはミカンの皮にも含まれています。ミカンの皮は乾かして「陳皮」と呼ばれる漢方の風邪や喉の炎症を抑える生薬となります。シネフリンは、気管支筋弛緩作用などがあると考えられています。
キンカンの黄金色の色素成分はβ-クリプトキサンチン。β-クリプトキサンチンは抗酸化作用があると言われ、免疫力を高め、感染症予防にも役立つと考えられています。
ビタミンCは100g中49mg含まれ、レモン果汁と同等です。ビタミンEも含み、ビタミンC、ビタミンEともに抗酸化作用があり、互いの働きを助け合います。
筋や袋の部分に、毛細血管を強くし動脈硬化予防に役立つというヘスペリジンというフラボノイドも多く含まれていますが、ヘスペリジンは、ビタミンCの吸収を助ける働きがあります。
他にも、キンカンには、カルシウムや食物繊維なども含まれています。カルシウムは、骨をつくる上で書かせない栄養素。しかもβ-クリプトキサンチンは、骨代謝に関わっていると考えられます。
キンカンを使ったリキュールに、血圧上昇の引き金となるアンギオテンシン酵素を阻害し血圧上昇を抑制するという研究報告もあり、様々な成分に期待が寄せられています。しかし、食べ物は薬ではありませんから、即効性や確実な効果は期待できませんが、様々な栄養素や成分を安全な量で同時に摂取できるのがよいところです。
■皮ごと食べられるから栄養の無駄がない
キンカンは柑橘類の一種でミカン科ですが、ミカン属とは別のキンカン属。中国原産と言われ、諸説ありますが日本には鎌倉末期から足利時代に伝わったとされています。ミカンやダイダイの陳皮の代用として民間で用いられてきたそうです。現在は、温かい宮崎県、鹿児島県がキンカンの主な生産地です。
キンカンは、果皮に爽やかな香り、甘味と苦味があっておいしいですが、果肉は酸味が強いです。柑橘類には珍しく皮ごと食べます。皮や筋にも健康に役立つ成分が含まれていますから、皮ごと食べられる金柑は無駄がありません。
生食だけでなく甘露煮やジャムなどの加工品にされますが、近年は生食にむいている糖度が高く大粒の品種や、種無し品種なども出回っています。
最近の子どもはキンカンの食べ方を知らず、ミカンのように皮をむいて食べようとすることがあるそうです。食文化を伝えるためにも、機会があれば子どもと一緒にキンカンも召し上がってみてください。
キンカンを保存する時には、冷蔵庫の野菜室で2週間ほどですが、品質が落ちるため1週間程度で食べたいものです。長期に保存する場合は、甘露煮やジャム、はちみつ漬けなどにするとよいでしょう。これを肉の煮込み料理に加えても、甘酸っぱさが相性よく、風味が深まります。
「All Abouyt」記事より
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