ヒートショックが原因で亡くなる方は年間1万人以上いると言われています。特に寒さが厳しくなる冬場に起こりやすくなるので、予防方法などを知っておきましょう。
■ヒートショックとは
人間の体には、環境の変化に合わせて体温を常に一定保つ働きがあります。暖かいところでは血管が拡張して血圧は下がり、寒いところでは血管が収縮して血圧は上がります。
温度の変化が穏やかであれば問題はありませんが、急激な温度変化にさらされた場合には、血圧や脈拍にも急激な変化が起こります。これが、ヒートショックと呼ばれる状態です。
冬の時期、暖房で暖かい居間などと暖房のない脱衣所や浴室との温度差が10℃以上になることはまれではありません。このような温度環境下で入浴する場合、暖かい居間から寒い脱衣所や浴室への移動、そして熱い湯船への移動という小さな動きのなかでの急激な温度変化が短時間のうちに起こり、これに伴って、血圧の急激な上昇や下降が引き起こされます。
ヒートショックは体に大きな負担をかけるため、冬の入浴中に起こる突然死の大きな要因となります。たとえば、急激に血圧が上昇した場合は脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などで死亡する恐れがあります。逆に、急激に血圧が低下した場合は脳貧血を引き起こし浴槽でめまいを生じてけがをしたり、溺れたりする危険性があります。入浴時の温度差が大きくなりがちな12月、1月は、1年のうちで入浴中の突然死が最も増えるので特に注意が必要です。
<入浴に伴う血圧の変動>
1. 寒い脱衣所で衣服を脱ぐと、体から熱が奪われないように毛細血管が収縮し、血圧が上昇
2. 浴槽に入り熱い湯に触れると交感神経が緊張するため、血圧が急激に上昇
3. 浴槽内で肩までどっぷり湯に浸かると、水圧により心臓に負担がかかり、さらに血圧が上昇
4. その後、浴槽内で体が温まると血管が拡張し、血圧は急激に下降
5. 浴槽から上がると水圧がかからなくなるため、血圧は下降
6. 入浴後、脱衣所が寒いと温まった体が冷えるため、熱が奪われないように再び毛細血管が収縮し、血 圧が急激に上昇
■ヒートショックの影響を受けやすい人
ヒートショックの影響を受けやすいのは高齢者、高血圧や糖尿病の病気をもつ人、動脈硬化のある人などです。また、肥満気味の人や呼吸器官に問題があり睡眠時無呼吸症候群などの人、不整脈がある人など、次に掲げるような場合もヒートショックの影響を受けやすいといわれています。
【ヒートショックの影響を受けやすい人】
・ 65歳以上である
・ 高血圧・糖尿病・動脈硬化などの病気がある
・ 肥満気味である
・ 睡眠時無呼吸症候群など呼吸器官に問題がある
・ 不整脈がある
・ 自宅の脱衣所や浴室に暖房器具がない
・ 熱いお風呂が好き
・ お酒を飲んでから入浴することがある
■ヒートショックの予防対策
一般的に日本では、家族が集まる居間などには暖房器具を置いて暖かくしますが、脱衣所や浴室に暖房器具を置いて暖めるという習慣はほとんどありません。冬場の入浴時の事故を未然に防ぐためには、居間と脱衣所と浴室の温度差をできるだけ小さくしておくことが大切です。また、ぬるめの湯加減でじんわり体を温めるようにしましょう。
浴室以外にも日本の家の多くは、居間とトイレに約6℃〜10℃の温度差があると報告されています。トイレにも小さな暖房器具を用意しておくとよいでしよう。
【ヒートショックを防ぐ入浴法】
・脱衣所に暖房器具を置くなどして、入浴前に脱衣所を暖かくしておく
・浴槽のふたを開けたり、服を脱ぐ前に浴室の床や壁に温かいシャワーをまくなどし
て、浴室を暖めておく
・湯船に入る前に、手や足といった末端の部分からかけ湯をして、徐々に体を温めていく
・40度程度のぬるめの湯でじんわり体を温める
・いきなり肩まで湯船に沈めずに、足からゆっくりと入り、徐々に肩まで沈めていく
・心臓病や高血圧の人は、半身浴にし、肩にお湯で温めたタオルをかける
・入浴時間は、ほんのり汗ばむ程度にする
・湯船から出る際は、急に立ち上がらずにゆっくりと立ち上がり、湯船から出る
・飲酒後の入浴は避ける
・入浴の前後にはコップ1杯程度の水分を補給する
家族に高齢者や高血圧、糖尿病などの人がいる場合には、入浴中に定期的に声をかけるようにしましょう。
「健康管理士一般指導員」メルマガ記事より
そして、ヒートショックに注意するとともに、ぜひ有機ゲルマニウムを健康ライフの強い味方にしてみてはいかがでしょうか。
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